お金を3倍に生かすアメリカの知恵/アントラム栢木利美

お金にまつわる国際文化比較論。私の場合、イギリスならば、井形慶子さん、アメリカならばアントラムさんになりつつある。

お金がテーマという事もあり、投資にも役立つのではというのが一番の目的です。

まずは、アメリカはDIYの国であり、何をするにもお金がかかるから、自分でやるのが良いという。

だから筆者はDIYに興味を持ち趣味と実益を兼ねたものにしているとの事。ファッションよりホームセンターなのだそうだ。

あと、人件費交換という考え方も面白かった。
なにか修理とか頼むのはお金がかかるのでね近所の人に相談したら、数軒先の人がやってくれるという。そしてお金の話をしたら、子供の勉強の面倒を見てくれたら、チャラでいいよと言われたそうです。

考えてみれば、寅さんが住んでいたような下町や長屋時代の日本では当たり前の事だったのかも知れない。

それからプライマリーバランスが重要であると書いてます。
つまり、月収100万で120万の生活をする人と、月収30万で25万の生活をする人では、後者の方が金持ちだという理論です。

これも、よくあるミリオネア本の定義でして、金持ちほど倹約する事が書かれています。

あとは時間の話。金持ちは時間の使い方も心得ていて、著者が良く引き合いに出す、ドナルドトランプ氏の話が書かれています。

これは、大富豪のトランプ氏の車が故障して難儀している所に、ある人が通りかかり、エンジンを修理してあげた。

いたく感動したトランプ氏が何かお礼がしたいというと、もうじき妻の誕生日なので、バラの花束を贈ってやって欲しいといった。

で、誕生日当日、トランプ氏からの贈り物を待ったが結局来なかった。やっぱり多忙な人だから、忘れたのかとがっかりして、家のローンを払いに行ったら、残り30年分のローンを全て完済してくれたというエピソードでした。

トランプ氏にとっての、エンジントラブルによる故障で損害を被るだろう時間には、それだけの価値があったのだという事なんですけど、「情けは人のためならず」って事なんでしょうね。

人には親切にするものですよね。肝に銘じておきます。